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Dr.コラム

高血圧について①

生活習慣病の続き.まずは高血圧についてお話しします.

 

なぜ高血圧の治療が必要なのかは以前のコラムで触れているので,今回話すのは血圧値に関すること.少しでも理解を深めていただき,自身の健康管理への意識向上に繋げていただければと思います.

 

ガイドラインでは,診察室(病院)での血圧が平均的に140/90mmHg以上である場合「高血圧」とする,とされています.

しかし,血圧への治療介入が必要かどうかの判断はそんなに単純には決められません.実際は,140/90mmHg以上でなくても,高血圧の治療を受けたほうがいい人もたくさんいます.治療で高血圧の基準を下回れば,つまり140/90mmHg未満になればOK,ということでもありません.十分な治療介入をせず,中途半端な降圧でもまぁ良し,としている医者もいます.血圧治療の質を上げるべく,医者・患者双方が理解を深め妥協しないことが必要です.

 

さてまず,「正常血圧」を把握していますか?

「正常血圧」とは,診察室血圧でいえば100~119/60~79mmHgです.家庭血圧では100~114/60~74mmHgです.「え?正常ってそんなに低いの?」と思った方,きっといるでしょう.高血圧な現代社会に慣れてしまって,イメージがずれているんです.

 

ちなみに,病院血圧では,上の血圧(収縮期血圧:sBP)120〜129mmHgかつ,下の血圧(拡張期血圧:dBP)〜79mmHgまでは「正常高値血圧」といい,上が130〜139mmHgかつ/または,下が80〜89mmHgまでは「高値血圧」といいます.家庭血圧ではここから全て5を引いて下さい.

 

患者さんにこういった値を提示すると,以下のような会話になることがあります.あくまで例えば,です.

 

Aさん(40代男性.喫煙者.標準体型.血圧と悪玉コレステロールが健診で引っかかって受診.脳ドッグ正常).

 

Aさん「健診では緊張してたし急いで行った後だから,上が150とかになったけど,普段会社で測ると大体130/80台だよ.140いかなければ良いんじゃなくて?」

私「はい,Aさんにとって130台では高いです」

 

Aさん「でも110台なんて出たことない.今ぐらいで体の調子は良いんだけど.逆に具合悪くならない?」

私「なりません.寧ろもっと体調良くなると思いますよ.」

 

Bさん(77代女性.血液検査で腎臓の値が数年前から高め.他血液や尿の値は正常.非喫煙者.脳ドッグは受けたことがない).

 

Bさん「薬を飲んでいてもここへ来ると大体130/80台で,110台なんて滅多にな

いです.家じゃあ割合良くて,時には夜は上が110,下は60なんて時もあっ

て…」

私「Bさんにとっては,今くらいの血圧で大丈夫ですよ.夏場になって110台ばかりになるようなら,夏の間は朝の薬を少し加減しても良いかもしれませんね」

 

 

何が言いたいかというと,「高血圧」でなくても治療が必要な高血圧患者さんが隠れているということです.正常だと思っていた自身の血圧が,「高血圧」ではないのに治療した方が良い状態にあった,なんてことが往々にしてあります.それは,患者さんの性別,年齢,背景等々によって,降圧目標値という点から見た健康的な血圧値が一人ひとり異なるからです.

 

次回へ続きます…。

 

甲斐リハビリテーションクリニック 一瀬佑太

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