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Dr.コラム

パーキンソン病運動症状(寡動・無動と筋強剛、姿勢反射障害)①

  • 寡動・無動、筋強剛、姿勢反射障害 ①

 

今回は、パーキンソン病における振戦以外の運動症状についてお話します。

振戦と違い、3つまとめて説明するのは、それぞれの症状がお互いに影響を及ぼし合うものだからです。

まず、寡動は動作が少ない事、無動は動作が無い事を指します。どちらも動作が乏しくなる症状を表しますが、無動の方がより進行した状態です。

私たちは何かしらの動作を行う上で、その動作を行いやすくするために、無意識に少し体勢を変えたり、視線を動かしたり、顔の向きを変えたり、細かい動作を同時に行っています。例えば、歩行という動作は、両脚を交互に前に出せば歩けますが、通常、私達は歩く時に腕を振り、体幹や骨盤を少し捻りながら歩きます。周囲に注意を払うため、時には視線を足元に向けたり、前方に向けたり、脚以外にも同時に複数の動作を行っているのです。

しかし、寡動・無動症状があると、こういった細かな動作を行えなくなります。歩行時の腕の振りは無くなり、上半身が固まったままのような姿勢で歩く様子が見られるようになり、人と話している時も、唇の動きが小さく、呼吸の動作も小さくなるため、大きな声が出せず、小声でボソボソと話すようになります。また顔の表情筋の動きも乏しくなるため、表情の変化が少なくなり、無表情であることが多くなります。(仮面様顔貌と言います)

次に、筋強剛とは患者さん本人が力を抜いているにもかかわらず、筋肉に強張りが出てしまい、腕や脚を動かす際に妨げとなってしまう症状です。筋肉が常に固さを持った状態では、柔軟で俊敏な動作を行うことが難しくなります。また、家族が着替えを手伝おうとして、患者さん本人の腕や脚を動かそうとする時にも、筋肉の固さが妨げとなり、動かしにくくなってしまいます。筋強剛があると、患者さんは動作の時に強張りによる不快感を伴いますので、運動に消極的になり、より無動症状を悪化させることに繋がります。

姿勢反射障害とは、無動や筋強剛といった症状によって、バランスを保つ事が苦手となり、転びやすくなったり、体勢を維持することが難しくなる事を言います。

片足立ちが出来なくなったり、バランスを崩しそうになった時に、体を支えるように片脚を出したり、手をついて顔を守ったり、といった咄嗟の行動が取れなくなります。

 

甲斐リハビリテーションクリニック 院長 三輪道然

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